医療業界の共同購入とは?コスト削減が病院経営の課題解決につながる

2024.02.26医療経営

医療業界の共同購入とは

医療業界では生産年齢人口の減少や高齢化などの影響を考慮して、経営体質の改善が求められています。

医療技術に対応し、医療の品質と安全を確保するためには不要な出費を抑えて、経営のスリム化を行わなければなりません。

資材やサービスのコストダウンを図る方法のひとつとして、医療業界では「共同購入」が挙げられます。

本記事では、医療業界の共同購入について、コスト削減が病院経営の課題解決につながる理由とあわせて解説します。

 

医療業界の共同購入とは?

医療業界における共同購入とは、複数の病院がグループを形成し、一緒に購入することでひとつあたりの単価を下げることを目的とします。

病院の収益を圧迫する要因として、診療や事務作業などの際に使用する資材の購入費用が挙げられます。

資材がなければ質の高い医療やサービスを提供できないだけではなく、患者さんを危険にさらしてしまう可能性があります。

ただし、一棟の病院だけでは購入量の限界があり、コストダウンを図れるほどのボリュームが見込めない場合もあります。

そこで、複数の病院が連携して共同でメーカーや卸業者から資材を購入することによって、コストダウンを図ろうとするものです。

従来、日本ではあまりなじみのなかった共同購入ですが、アメリカでは積極的に共同購入が行われています。

アメリカにおいてはGPO(Group Purchase Organization)と呼ばれ、ほぼすべての医療機関がGPOに参加しています。

このことから、アメリカではGPOは社会的な仕組みとして確立されているといえます。

 

医療機関の経営状況と共同購入の関係性について

共同購入の関係性

現在の日本で運営されている病院では、下記の要因により赤字経営に陥っているところが多数あります。

  • コロナ禍による影響
  • 人件費や採用コストの増加
  • 病床稼働率の低下

 

参考として、「公益社団法人 全日本病院協会」が医療機関の収益に関する情報をまとめています。

その結果、赤字病院の割合は2019年が65.4%、20年は 76.8%に増加し、21年では73.5%、22 年74.4%となりました。

先述した要因より、規模が大きい病院ほど赤字経営に陥りやすい状況となっています。

しかし、病院を含む医療機関ではコストダウンのために医療の質を下げることはできません。

単純に医師や看護師といったスタッフの数を減らすと、対応できる患者さんの数が減少してしまうほか、業務過多にも繋がります。

そのため、病院では資材の仕入数や在庫量を減らしたり、メーカーや卸業者に価格交渉を行ったりすることでコストダウンを図っています。

 

共同購入の支援内容

下記、日本における共同購入の支援内容です。

 

サプライセンターにおける共同購入

サプライセンターとは、院内で行われる手術や診療といった医療行為で使用する器具を、安全に使用できる状態にする部署です。

共同購入を行う場合、それぞれの病院に設けられているサプライセンターが物品の集約を行い、購入量を増加させます。

そのため、サプライセンターにおける共同購入によって、スケールメリットを活かしてボリュームディスカウントを引き出します。

 

共同購入における契約交渉支援

病院に勤務する医師は医療行為のスペシャリストですが、経営に関する知識に明るくない方もいらっしゃいます。

そのため、価格交渉が苦手な方や、価格交渉の行い方そのものが分からないという方もいらっしゃるものです。

共同購入の支援にはメーカーや卸業者への価格交渉支援も含まれているため、好条件で購入できるようになる可能性があります。

 

共同価格交渉のパートナー探し

ボリュームディスカウントを図るために共同購入をする病院や医療機関を探そうとしても、なかなか見つかるものではありません。

共同購入支援サービスのなかには、共同購入のパートナー探しを支援してくれるといったものが含まれているケースもあります。

日々、多忙な業務を行っている病院スタッフでは対応できないことでも、さまざまなサポートをしてくれる点はサービスのメリットといえます。また、病院の支出を抑えるための共同価格交渉であるが故に購入価格の透明性は必須といえます。

 

MRP(エム・アール・ピー)コンサルティングの取り組み

コンサルティングの取り組み

当社では共同購入支援を含め、不要な出費を抑えて黒字経営の手助けを行うためのコンサルティングを実施しております。

先述の通り、病院では人件費や材料費が出費のなかで大きな割合を占めています。

しかし、医療の質を下げずにスタッフの負担を圧迫しないためにも、単純に人件費(人員)を削減すれば良いというわけにはいきません。

そこで、出費の割合が高い材料費を最適化することで、病院の経営を改善することができるのです。

当社ではコンサルティングやWebシステムを活用して、適正価格での仕入れや在庫管理をサポートしております。

また、共同購入対象品の価格モニタリングやデータ分析など、監査的な機能も担っております。

病院側の業務内容はこれまでとほとんど変えずに収益体質を改善することが、当社のコンサルティングの狙いです。

当社サービスにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にご相談ください。

 

当社ページ:コンセプト サービス紹介

(https://www.mrp-spd.co.jp/home/service/concept.html)

 

おわりに

本記事では、医療業界の共同購入について、コスト削減が病院経営の課題解決につながる理由とあわせて解説しました。

病院の出費のうち、大きな割合を占めているのは人件費と材料費が挙げられます。

医療の質を下げず、スタッフの負担を上げないためには資材の購入費の最適化が重要となります。

そのための方法のひとつが、複数の病院で一緒に購入する「共同購入」です。

出費を抑えて、黒字経営を実現したい方はお気軽にご連絡ください。

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MRP

MRP医療コラム編集部

病院経営改善・コスト削減コンサルティングの株式会社エム・アール・ピーが発信する「MRP医療コラム」です。医療経営に関する様々なお役立ち情報を発信します。