病院の用度品管理とは?適切な管理方法で業務効率化を実現
2024.05.30医療経営病院では診療行為や事務作業を行う際、さまざまな医療器具や道具を使用します。
なかには1回しか使うことができないものも含まれており、年に数回しか使わないようなものがあります。
しかし、在庫を潤沢にしようと思い過剰発注をしてしまうと、経費や在庫スペースを圧迫してしまいます。
本記事では、病院の用度品管理について、適切な管理方法とあわせてご紹介します。
用度品とは
一般的に用度品は企業や病院などが購入するすべてのものから、生産に必要な原材料や販売に必要な商品を除いたものを指します。
具体的には、掃除道具やコピー用紙、文房具などが含まれており、直接収益に関連しないものも含まれます。
しかし、業務を行う上ではこれらの用度品はなくてはならない存在であることから、適切に管理をしなければなりません。
また、用度品の特徴として、1点あたりの費用は少ないですが、数が必要になるため大量に購入する傾向が挙げられます。
なかには「〇点以上で送料無料」などのサービスを提供している業者がありますが、まとまった金額が必要になります。
そのため、用度品を1点ずつ購入すると費用が上がってしまうため、小回りが利かない買い方だといえます。
用度品管理の特徴
用度品の特徴は在庫数が非常に多いことで、小さな病院でも数千点に上ることがあります。
また、用度品によって消耗スピードが異なるため、毎週のように発注しているものもあるでしょう。
そのため、用度品を管理する際はそれぞれの消耗スピードや在庫量などを考慮しなければなりません。
用度品管理の重要性
用度品の管理は、業務の精度やスピードに直結するような、重要な作業です。
必要なときに必要な用度品がなかった場合、納品まで待ったり高コストのものを購入しなければなりません。
また、過剰な用度品は在庫費用が増えることから、病院の業績や利益にも影響を及ぼす要素です。
用度品の管理方法|集中管理と分散管理
こちらでは、用度品の管理方法について、集中管理と分散管理に分けてご紹介します。
集中管理の特徴
集中管理とは、ひとつの場所ですべての用度品を管理する方法を指すものです。
一括購入によるコスト削減のほか、病院全体の管理作業を効率化することができます。
企業であれば、主に本社の総務部などが、病院であれば用度課などが中央倉庫で集中管理を行い、発注をした部署に経費や用度品の受け渡しを行います。
メリット・デメリット
先述の通り、集中管理を行うことで一括購入によるコスト削減や、用度品の管理を一元化することができます。
一方、管理の担当者にとって負担になったり、部署間での経費や用度品の受け渡しに時間や手間がかかってしまったりするデメリットがあります。
分散管理の特徴
分散管理とは、部門ごとに自分たちが必要とする用度品を管理する方法を指します。
必要なものを自分たちで調達することができるため、一元管理よりも小回りが利いた運用を行えます。
発注や納品を担当する方は主に事務作業員であり、医師から必要なものをヒアリングしてから発注します。
メリット・デメリット
分散管理のメリットは、自分の部署が必要としている用度品をすぐに発注・使用することができる点です。
一方、部門が独自で発注するため、一括購入によるメリットを享受しにくかったり全体効率化を図りにくかったりといったデメリットがあります。
病院の用度品発注フロー
下記、病院の用度品を発注し、納品するまでのフローです。
- 用度品の残存数を確認する
- 不足しているものをリストアップし、業者に発注する
- 病院に発注したものが納品される
- 用度品の残存数に加算する
- 指定された保管場所に在庫する
ほとんどの場合、これらの作業には発注から納品までリードタイムがあります。
そのため、発注者はリードタイムに消費する用度品の量も考えて発注しなければなりません。
病院の用度品管理における課題
病院の用度品管理には、下記のような課題が含まれています。
- 発注漏れや予想以上の消費によって発生する「在庫切れ」
- 在庫切れを避けるあまり、必要以上の量を発注してしまう「過剰発注」
- 医師や事務員など、用度品を必要としている方にヒアリングを行う「コミュニケーションコスト」
- ヒアリング・発注・在庫化などの「作業負担」
これらは、手作業で実施しているとミスやヌケモレが発生しやすい傾向にあります。
そのため、多くの病院では用度品の管理をシステムに任せて解決しています。
おわりに
本記事では、病院の用度品管理について、適切な管理方法とあわせてご紹介しました。
用度品はコピー機や文房具など、直接収益に関与しないものも含まれます。
管理方法には集中管理と分散管理の2種類がありますが、どちらにもメリットとデメリットが含まれています。
収益につながらない用度品も、最適な在庫数で管理しておきましょう。
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MRP医療コラム編集部
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