病院の経営改善策と効果的な進め方とは?コスト削減になる理由も解説

2024.02.26医療経営

病院の経営改善策

病院の目的は来院・入院している患者さんを診療・治療をすることで、健康な状態に回復させることです。

継続して多くの患者さんを診療・治療するためには、当然ながら収支をしっかりと管理して経営しなければなりません。

しかし、備品の購入や光熱費など、病院では多くの出費が発生するものです。

本記事では、病院の経営改善策と効果的な進め方について、コスト削減になる理由もあわせて解説します。

 

病院の経営で利益を左右する要因とは?

病院経営を改善するため施策とは

下記にて、病院の経営で利益を左右する要因をご紹介します。

 

人件費の増加

病院の収益を圧迫する要因のひとつとして、医師や看護師などに支払われる人件費が挙げられます。

近年ではチーム医療が評価されたことによって、さまざまな職種の採用が必要となりました。

人員の増加や最低賃金の引き上げなどが影響して、スタッフに支払われる給与の総額が増加したことが影響しています。

収益が増加せず、人件費が増加すると病院経営に大きな影響を及ぼします。

 

病床稼働率の低下

病床稼働率とは、病院に設置されているベッドがどの程度効率的に稼働しているのかを示す数字です。

病院において、病床稼働率は入院収益に関する項目であり、病院の経営に大きな影響を及ぼす要素のひとつです。

病院が得る主な収益は、患者さんから得る診察代と、特定の機関に申請することで得られる診療報酬です。

どちらも患者さんを診療・治療する必要があり、入院している患者さんが多い場合は通院している方よりも多くの収益を得られます。

しかし、固定費が多い病院では病床稼働率が低下すると、途端に赤字経営となってしまいます。

そのため、病院を経営する際には最適な病床数を検討・設置する必要があります。

 

医療材料費の高騰

病院における変動費のなかには、医療器具や事務用品といった、さまざまなものが含まれています。

医薬品や診療材料費も医療材料費に含まれており、場合によっては大量に消費することがあります。

メーカーから値上げの交渉があった場合も変動費が増加する要因となるため、計画的に仕入れをしなければなりません。

正しい在庫数で管理し、適切な量の補充を行うことで、医療材料費を抑えることができます。

 

病院経営を改善するための施策とは?

病院の経営改善を図る進め方

こちらでは、病院経営を改善するための施策をご紹介します。

 

経営の現状を把握する

病院経営を改善するためには、経営を圧迫している要因を見つけなければなりません。

あまりコストがかかっていない項目を改善しても、収益に与える影響は少ないものです。

病院の種別や機能などによって掛かっているコストは異なるため、闇雲にほかの病院の真似をしても大きな成果を得られないことがあります。

医師は患者さんの治療や診療など医療に関するスペシャリストですが、経営については明るくない方も多くいらっしゃいます。

そのような方でも、一定期間の収入と支出を見てみると、どの項目が収益を圧迫しているのかがお分かりいただけることでしょう。

 

経営戦略の見直し

経営状況を確認しても、各項目に於いて最適な費用が使われていることがあります。

そのような場合は、経営戦略そのものに問題がある可能性が考えられます。

また、月単位や1年単位といった短期的な目標だけを立てている場合も、経営が悪化する可能性は高くなるものです。

3年や5年といった、中長期計画を立てて、そのためには何をすれば良いのかを考慮したうえで経営戦略の見直しを行いましょう。

 

サービス・生産性の向上

現状の資産や資本で収益を上げるためには、サービスや生産性の向上を図りましょう。

従業員が1時間あたりに対応できる仕事量を増やす、自動化できる作業は機械やシステムに任せることなどが、生産性向上の方法です。

特に、カルテの記載や診療報酬の請求などは、医師・看護師・事務スタッフにとってミスが発生しやすい作業です。

これらのミスを減らしながら効率化するためには、電子カルテやレセコンの導入および最適化を検討しましょう。

医療機器は高額な初期費用が必要ですが、ベンチマークの活用および長期的な視点でランニングコストを抑制することも、経営を立て直す方法のひとつです。

 

コストの削減・最適化

病院では先述の通り、人件費や医療材料費など、さまざまなコストが発生します。

普段から使用しているコストを見直すと、実は適正価格ではなかったということがよくあります。

いわゆる「コストマネジメント」と呼ばれるもので、経営を改善するために病院だけではなく、企業も取り入れています。

病院を経営されている医師のなかにはビジネスに明るくない方もいらっしゃるため、コンサルタントに相談することもあるでしょう。

適材適所で専門のスペシャリストに相談することも、黒字経営のためには必要なことです。

 

おわりに

本記事では、病院の経営改善策と効果的な進め方について、コスト削減になる理由もあわせて解説しました。

病院の経営を圧迫する要因として、人件費の増加や病床稼働率の低下、医療材料費の高騰などが挙げられます。

下記、経営改善の方法の一例です。

  • 経営の現状を把握する
  • 経営戦略の見直し
  • サービス・生産性の向上
  • コストの削減・最適化

 

自院の経営体質の改善にあたり、まずは現状の把握から始めましょう。

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MRP医療コラム編集部

病院経営改善・コスト削減コンサルティングの株式会社エム・アール・ピーが発信する「MRP医療コラム」です。医療経営に関する様々なお役立ち情報を発信します。