医療業界における看護業務は効率化できる?課題から実現方法まで解説
2024.05.30医療経営医療業界では慢性的な人員不足にも関わらず、高齢化などにより患者さんの数が増加傾向にあります。
特に、要介護者の生活補助や機能回復を目的としている看護業務は、需要と供給のバランスがとれていない状況が続くことが推測されます。
今後発生する2025年問題や2040年問題のほか、医療保険制度による影響を考慮して、業務効率化が求められているのです。
本記事では、医療業界における看護業務は効率化できるのかについて、課題から実現方法までを解説します。
医療従事者が業務効率化すべき理由
医療業界では、下記の理由により業務効率化が求められています。
- 慢性的な人員不足
- 少子高齢化・人口減少
- 上記の理由による医療従事者の負担増加
医療業界を目指す方が少なくなったにも関わらず、少子高齢化や要介護者の増加により、医療従事者には大きな負担がのしかかります。
特に、看護師はこれらの影響を受けやすい職業であるため、早急な業務効率の改善が求められます。
病院業務における課題
こちらでは、病院業務における課題をご紹介します。
看護記録や診療報酬等の書類作成・管理
病院業務では、患者さんの対応だけではなくさまざまな書類作成やデータ管理を行わなければなりません。
患者さんに実施した看護の記録作成や、診療行為に対する点数の算出や診療報酬を受け取るための書類作成などが含まれます。
これらは真正性・見読性・保存性などを順守したうえで、ミスなく記載しなければなりません。
医療従事者は患者さんへの対応と書類作成・管理などを、少ない人員で対応しなければならない点が課題となります。
医療材料などの物品管理
病院ではメスや注射といった医療材料のほか、ボールペンやプリンターのインクといった事務用品も使われます。
これらの収支を適切に管理していなかった場合、何がいくつあるのかが分からないほか、コストを明確化することができません。
しかし、乱雑に保管されていたり、適切な数を把握していなかったりする病院は意外と多いものです。
受発注・在庫管理などを含む物品管理もまた、医療従事者の業務を圧迫する要因となっています。
病院内の業務を効率化するメリット
病院内の業務を効率化することで、下記のようなメリットを得ることができます。
- 医療スタッフの業務負担が軽減できる
- 患者さんに提供する医療サービスの質が向上する
- 診療や看護など、人にしかできない作業に集中することができる
上記より、業務効率化を行うことで費用対効果が向上するといえます。
作業をなくしたり簡素化したりすることで効率化を行い、診療や看護など収益に直接つながる業務に集中することができるでしょう。
病院の業務効率化を実現する方法
下記にて、病院の業務効率化を実現するための方法をご紹介します。
業務負担の見直し
業務効率の改善を図る際、各人がどのような業務にどれほどの負担を抱えているのかを把握することが重要です。
特定のスタッフに負担が偏っている場合や、個人の長所を活かせるような業務に変更することでも業務効率を改善できます。
業務負担と役割を見直して改善することで、モチベーションの維持や質の高い業務を行うことができるようになります。
コストの見直し・削減
先述の通り、病院ではさまざまな資材を使用しており、それぞれにコストがかかっているものです。
必要以上に物品を消耗したり、単価やコストの見直しを行っていなかったりする場合、不要なコストが発生しているといえます。
そのため、使用する量を減らす・仕入れ先を見直すことで、コストの改善・削減を実現できるでしょう。
ほかの医療機関との連携
医療機関が抱える問題は各院で自己完結をしようと考えられがちですが、それぞれが連携することで解決する課題もあります。
たとえば、物品管理において、期限切れによるロスを削減するための定数管理の方法など、ほかの医療機関と相互に情報交換をするだけで改善につながるケースもあります。
そして何より、なにか課題があれば複数の病院間ですぐに相談できる環境づくりが非常に重要です。
DX化の推進
近年の医療業界では、国をあげてDX化を推進しています。
電子カルテやレセコンといったシステムの導入だけではなく、オンライン診療もDX化に則った施策となります。
医療機関のなかには手書き作業がほとんどなくなり、データで患者さんや物品情報の管理などを行っているところがあるのです。
エム・アール・ピーが提供する病院の業務改善に向けたサービス事例
当社でも医療機関に対して、業務効率の改善に関するさまざまなサービスをご提案・提供しています。
サービスを導入いただいた医療機関では、下記のような実績を残すことができました。
- 在庫稼働率を洗い出し、需要予測に沿った物品の発注を実現
- 物品の適正価格を知ることによるコストの適正化
- 単価契約交渉の支援により、年間4,000万円の仕入れコストを削減
何をどのように改善すれば良いかが分からないという病院経営者は、お気軽にご相談ください。
当社ホームページ:コンサルティング事例
おわりに
本記事では、医療業界における業務効率化について解説しました。
病院業務には診療・看護だけではなく、書類作成・管理や物品管理など、さまざまな作業が含まれています。
業務効率化を実現することで、診療や看護といった人にしかできない収益源の行動に集中することができます。
業務負担を軽減して、スタッフのモチベーション向上と患者さんへのサービスの質向上を図りましょう。
MRP医療コラム編集部
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