病院経営の成功には看護師のコスト意識が不可欠!

2024.10.08医療経営

病院経営の成功

病院の経営で利益を残すためには、患者さんを集めるなど収入のUPだけではなく、支出となるコストの見直しが重要です。

コストのなかには備品や機材にかかる費用だけではなく、お医者様や看護師、スタッフなどに発生する人件費も含まれています。

しかし、無理なコスト削減は業務負担を増大させる要因となるため、無理なく削減をしなければなりません。

本記事では、病院経営の成功には不可欠な看護師のコスト意識について解説します。

 

コスト意識は看護師・スタッフも考えるべき課題

病院に限らず、ビジネスを継続して行うためには従業員各人がコスト意識を持つことが重要です。

経営者だけがコスト意識を持っていても、従業員が無駄遣いをしてしまうと当然ながら利益が減ってしまいます。

コストのなかには備品代や人件費などさまざまな種類が含まれており、それぞれで削減方法が異なります。

たとえば、備品のコストを下げる方法には、下記のようなものが挙げられます。

  • 使う数を減らす
  • 仕入れ先を変える
  • 適切な価格交渉を実践する
  • ボリュームディスカウントにより単価を下げる など

 

人件費についてはコストダウンではなく、同じ時間で生み出せる価値を増やす「費用対効果」を増やすように検討しましょう。

時間当たりの患者さんの対応数を増やしたり、対応できる業務の幅を広げたりすることが例として挙げられます。

コストダウンが実現しなかった場合利益が減少してしまうことから、赤字経営になってしまう可能性があります。

赤字経営になってしまうと看護師やスタッフを含めた従業員の給料削減を考えなければなりません。

そのため、コスト意識については第三者が実施するものではなく、自分も参加するべき経営課題といえます。

 

看護師によるコスト意識の問題点は?

看護師のコスト意識が低い

しかし、病院に勤務する看護師やスタッフのなかには、コスト意識が低い方がいらっしゃいます。

下記は看護師のコスト意識が低い、といわれている理由の一例です。

  • 予備の備品が大量にあることから、無駄遣いをしてしまう
  • 自分のお金で買ったものではないことから、コスト意識が低くなる
  • 備品のコストを理解していない

 

病院運営はトップの経営陣が意思決定を行い、役職者ではない看護師やスタッフは支出について考える機会が少ない傾向にあります。

考えるとしても、病床稼働率や手術件数といった、収入に関わるものが多いことでしょう。

しかし、病院経営の利益を考える際には、収入だけではなく支出についても検討しなければなりません。

たとえ大きな収入を得ているとしても、支出が大きければ病院に残るお金は少なくなります。

逆に、大きな収入を得られていなくても最適なコスト管理が行えている場合、多くのお金を残すことができます。

健全な病院経営を行うためには、経営陣だけではなく看護師やスタッフにもコスト意識を持ってもらうことが重要です。

 

コスト意識を強化することのメリット

こちらでは、コスト意識を強化することによって得られるメリットをご紹介します。

 

従業員の給与や賞与が増える

給与や賞与が増えることによって、医師や看護師を含めた従業員のモチベーション向上が期待できます。

モチベーションが向上すると業務効率が上がったり、「もっと貢献しよう」とポジティブに働いてくれたりします。

そのためには収入を増やして支出を減らす必要があり、コスト意識を持つことで給与や賞与が増える可能性が高くなるのです。

 

経営層に入る前に意識を高めることができる

スキルが高かったり長年勤務をしていたりするスタッフのなかには、役職が上がることによって経営層になる方がいらっしゃいます。

経営層になるとこれまでの勤務だけではなく、マネジメントやコストに関する改善を求められるようになります。

スタッフの段階からコスト意識を持っておくことで、経営層になった際にも知識やスキルを活かすことができます。

 

コスト削減の手順

コスト削減の手順

コスト削減は、下記の手順で行います。

 

1.  現状把握

まずは、本当にコスト削減をするべきなのか、患者さんを集客するべきなのかといった現状を把握する必要があります。

人員不足や非効率な人員配置など、実は本当の課題は別にある可能性が考えられるため、しっかりと現状を把握することが重要です。

 

2.  コスト分析

病院経営では備品代や人件費など、さまざまなコストが発生します。

過去のデータなどを参照して、どの要素にどれだけのコストがかかっているのかを分析することで、改善案を立案できます。

 

3.  優先順位を付けてリストアップ

支出のうち、最も比重が大きいものやすぐにでも取り掛かれるものなど、優先順位を付けてリストアップします。

経営課題の「見える化」はコスト削減だけではなく、さまざまな経営課題を解決するために用いられる手法です。

 

4.  目標を設定して実施する

実際にどのような方法でコストダウンを図るのか、どれだけ削減する予定なのかなどの目標を設定します。

従業員一同が目標に向かって行動し、実施後に評価をして次の改善に臨みます。

 

おわりに

本記事では、看護師やスタッフがコスト意識を持つべき理由や、コスト削減の手順などについて解説しました。

コスト意識を持つことによって、給与や賞与が増える、経営層に入る前に意識を高めることができるメリットを得られます。

削減方法については現状把握→コスト分析→優先順位を付けてリストアップ→目標を設定して実施する、の順に行うと良いでしょう。

病院経営においてしっかりと利益を残すため、まずは現状分析から始めてみましょう。

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MRP医療コラム編集部

病院経営改善・コスト削減コンサルティングの株式会社エム・アール・ピーが発信する「MRP医療コラム」です。医療経営に関する様々なお役立ち情報を発信します。