診療報酬改定DXの4大施策と医療DX推進体制整備加算について
2025.03.05医療経営
医療DXは保険・医療・介護に関する各段階において発生する情報やデータを活用し、より質の高い医療を提供することが目的です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることで、国民の健康増進や切れ目のない医療サービスの提供などが実現できます。
施策のなかには診療報酬や診療報酬改定に関する作業をDX化させるといった内容も含まれており、この取り組みを「診療報酬改定DX」といいます。
本記事では、診療報酬改定DXの4大施策と医療DX推進体制整備加算について解説します。
診療報酬改定DXとは
診療報酬改定DXとは、医療現場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための取り組みです。
政府は診療報酬の改定を通じて電子カルテの普及やオンライン診療の拡充等をすることで、医療の効率化と質の向上を目指しています。
患者のメリットとしては、マイナ保険証を利用することで、問診・待ち時間の削減や薬歴などを覚える必要がなくなることが挙げられます。
また、処方箋情報も記録されることから、紙媒体を持ち運ばずに全国の薬局で処方箋を受け取ることができます。
診療報酬改定DXに取り組む背景
近年、日本の医療業界では人手不足や業務の煩雑化が問題視されています。
患者の診療から報酬の受け取りまでに、多くのスタッフがさまざまな作業を実施する必要があります。
場合によっては同じ情報を複数のシステムや端末に入力しなければならないため、二度手間が発生することも少なくありません。
また、高齢化が進むにつれて、医療費の増加が避けられない状況となっています。
このような背景のもと、デジタル技術を活用して医療の効率化を図ることが急務とされています。
医療DXを実現することで、最小限の労力で質の高いサービスを提供することが最大の目的になります。
2024年診療報酬改定のDX関連の変更点
2024年の診療報酬改定では、DXを推進するために、下記のような変更が行われました(詳細は後述)。
- 現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進
- ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進
- 安心・安全で質の高い医療の推進
- 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
当社コラムページ:2024年の診療報酬改定では何が変わる?目的や変更点について解説
診療報酬改定DXで推進される4つの主要施策

こちらでは、診療報酬改定DXで推進される4つの主要施策についてご説明します。
現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進
医療現場では生産年齢の人口減少による人手不足の影響が強く表れる可能性が高いため、人材の確保や定着が重要な課題となります。
2024年以降は医療の安全や地域医療の確保などを目的として、時間外労働の上限規制が適用されました。
具体例としては医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取り組みや、医療人材および医療資源の偏在への対応などが挙げられます。
ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進
2025年は団塊世代が75歳以上になることから生産年齢人口が減少する、いわゆる「2025年問題」が発生する年でもあります。
人口減少や高齢化が進むなか、地域の医療機関どうしが連携しつつ、切れ目のない提供体制を確保することが目的です。
たとえば、医療DXの推進による医療情報の有効活用、遠隔医療の推進や、生活に配慮した医療の推進など地域包括ケアシステムの深化・推進のための取り組みなどが挙げられます。
当社コラムページ:地域医療がなぜ必要か?現状の課題と地域医療構想の重要性を解説
安心・安全で質の高い医療の推進
現代の日本では食材費や光熱費といった、さまざまな費用が高騰しており、医療サービスも例外ではありません。
物価高騰を踏まえ、費用を抑えつつ患者に対して質の高い医療を提供するための対策が求められます。
取り組みの一例として、患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価や、アウトカムにも着目した評価の推進などになります。
効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
今後、高齢化や技術進歩などにより医療費の高騰が懸念されており、医療保険制度の安定性・持続可能性の向上が求められています。
そのためには効率化や適正化が不可欠であるほか、長期にわたって利用できる保険制度も必要です。
施策の一例としては、費用対効果評価制度の活用や、市場実勢価格を踏まえた適正な評価などになります。
参考ページ:厚生労働省ホームページ「令和6年度診療報酬改定の基本方針の概要」
診療報酬改定DXの実施スケジュール
診療報酬改定DXは、下記のスケジュールで実施されます。
- 2024年4月 :オンライン資格確認の義務化開始
- 2024年10月 :医療DX推進体制整備加算の見直し施行
- 2025年4月 :電子処方箋の本格運用開始
医療DX推進体制整備加算の見直し(2024年10月開始)

2024年10月より、医療DX推進体制整備加算の見直しが実施されました。
この加算制度は、医療機関がDX推進体制を整備するための支援を目的としています。
マイナ保険証を利用することで、かつては1段階の評価だったものが、3段階の点数に見直されるなどの変更が加えられました。
医療DXのなかにはマイナ保険証の利用も含まれており、使用することで医療機関と利用者の両方がメリットを得られるのです。
参考ページ:厚生労働省ホームページ「医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて」
おわりに
本記事では、診療報酬改定DXの4大施策について解説します。
下記が診療報酬改定DXで推進される4つの主要施策になります。
- 現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進
- ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進
- 安心・安全で質の高い医療の推進
- 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
一方、2024年10月に実施された医療DX推進体制整備加算の見直しなど、医療機関にはDX推進による変更への対応が求められます。
医療DXは、今後の日本の医療を支える重要な施策のひとつであり、今後の動向を注視していくことが重要です。
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MRP医療コラム編集部
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